のび太と竜の騎士 『のび太と竜の騎士』(1987)
 
  のび太の0点の答案を隠すため、ドラえもんは地球のあらゆる洞穴にランダムにつながる道具「どこでもホール」を取り出した。予想外の大空洞を発見した2人は、いつもの3人といっしょに空洞に遊び場を作る。しかし、どこでもホールが事故で壊れてしまったため、その遊び場にもいけなくなってしまった。だが、がっかりするどころではなかった。スネ夫が地底に置き去りにされてしまったのだ。残されたビデオを手がかりに、ドラえもん達は空洞が多奈川の底につながっていることを突き止める。空洞の奥は、恐竜の生き残りと、進化した恐竜人が住む地底世界だった。竜騎隊士バンホーに保護された5人は地底世界の都市や、まるで戦争が始まるかのような軍事演習の場面を見学する。しかしのび太は「絶対に近づいてはいけない」と言われていた建物で恐竜人の会話を盗み聞きしてしまう。「地上世界を、ふたたび我ら恐竜人の手に取り戻すのだ……!」 
 

  お、のび太進歩してますね。 
  地底で最初にプテラノドンを見掛けたとき、「これなら恐竜だっているよ!」と言っています。恐竜と他の古代爬虫類の区別が出来ているわけです。『恐竜』に比べると大進歩ですね。 
  その地底の恐竜が陸上にあがってくる確率は、昔も今もかなり低いようです。しょっちゅう上がって来ていたら、必ず地上でもっと信頼のおける目撃例や、証拠となる死骸などが発見されていたはずだからです(スネ夫の言う通りですね)。また、ドラえもんの○×うらないにも感知された可能性が高いでしょう。多奈川の底をブロントサウルスが通ってきたような例は例外中の例外、ということでしょう。 
  恐竜人にも複数の民族があります。河童に似た未開民族の言語をよく聞いてみましょう。日本語に非常によく似ています。昔、彼らは地底と地上を比較的自由に行き来しており、地上の日本語の影響を受けたのかもしれません。もちろん、その逆――つまり日本語が彼らの言葉の影響を受けている可能性も見過ごせません。日本語の起源は、学問的にも未だにはっきりしたことが分かっておらず、諸説が紛糾している状態です。もしかしたら、日本語の真のルーツとは恐竜人の言語なのかもしれません。 河童伝説が日本中にあるところを見ると、少なくとも日本には、かつてたくさん入り口があったようですね。もっとも、現在は文明的な恐竜人たちによってそのほとんどが塞がれるか、厳重に管理されているに決まってますが。 
  ドラえもんが説明した、彗星衝突による6500万年前の大災害は、現在、地上の科学が推定している最有力説と一致します。恐竜人は、次元転換船やタイムマシンまで作れるほど基礎科学は進歩している(特に、地磁気を帆に受けて走る船やリニアモーターカーなど、電磁力を利用した技術は高度に発達しています)んですが、気象や天体の現象については、調査が自由にできないため、地上人に及ばないんですね。このことは、大災害をもたらした何者か(恐竜人は、宇宙人の襲来と推定していました)と戦うための恐竜人の武装を見ても分かります。妙に原始的です。ドラえもんが作った城を攻めるのに、攻城やぐらなんか持ち出している。対空戦の準備ができていないんです。宇宙からの侵略ということは少なくとも飛んでくるわけですから、非常に不利です。しかし、これは無理のないことです。地底では戦闘機なんて飛ばせる余裕のある空間なんて殆どありません。古代から空中戦に、実用化するだけの汎用性が無かったんですね。もう一つ、強力な爆発物の使用も避けねばなりません。天井が崩れて味方ごと全滅という事態になりかねませんから。戦いといえば陸上戦、それも洞窟のなかで小回りの利く白兵戦というのは、恐竜人の軍事学では抜きがたい常識であったわけです。 
  もっとも、いちおう地底社会にも「地上学」という学問はあります。津波のことをバンホーは知っているらしい。しかし、その妹のローは雨や雪さえ知らないので、恐竜人一般の教養として広まっているようなものではないようです。 バンホーは遠征のため、地上戦に備えた訓練の一環として学んだ可能性が高いと考えられます。 
  最後にのび太達の荷物を郵便で送ったりしていますが、地上の社会についても詳しくは分かっていないようです。海底人や天上人のように人間そっくりのルックスではないので、潜入にも限界があるのでしょう。 

(*1 漫画原作ではナンジャ族と呼ばれている)

 
 

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